伽藍一覧 伽藍と境内 Sculpture

本堂(灌頂堂)
ほんどう(かんじょうどう)

国宝
鎌倉時代

金堂からさらに石段を登ると本堂があります。ここは真言密教の最も大切な法儀である灌頂を修するための堂で、寺院の中心であるところから本堂、或いは灌頂堂と呼ばれています。延慶元年(1308)の建立。五間四方入母屋造りの大きな堂で、和様(よう)と大仏様の折衷建築様式を示しています。

安置されている御仏

金 堂
(こんどう)

国宝
平安時代前期

鎧坂の石段を一段一段上るごとに、金堂の柿葺(こけらぶき)寄棟造りの屋根が次第に迫り上がって見え、登りきると全貌の見える小さな平地に出ます。懸け造りの高床正面一間通りは江戸時代に付加した礼堂(らいどう)で、この部分が無かった時代には、堂内の仏像の姿が外からも拝めたようです。

安置されている御仏

五重塔
(ごじゅうのとう)

国宝
奈良時代後期

本堂の西側、奥之院への参道を兼ねる急な石段の最上段に、五重塔が優美に立っています。屋外の塔としては我が国で最も小さく、また法隆寺に次ぐ古塔です。檜皮葺の屋根や丹塗りの組物が、奥深い樹林に包まれて格別の風情があります。

コラム

弥勒堂
(みろくどう)

重要文化財
鎌倉時代前期

金堂前庭の左手(西側)にある三間四方の堂。修圓が興福寺に創設した伝法院を室生寺に移設したと伝えられています。鎌倉時代の「宀一山図」には「伝法院」と堂名が記されており、元は南向きであったのを室町時代に東向きに改められ、江戸初期にも改造されています。内部の四本柱の中に須弥壇を据え、厨子に収められた弥勒菩薩像を安置しています。

安置されている御仏

奥之院
(おくのいん)

重要文化財
鎌倉時代後期

五重塔の左脇を通りすぎて、一旦下り、急な石段を登り切ると奥之院があります。弘法大師空海像を祀る御影堂(みえどう)は大師堂とも言い、板葺き二段屋根の宝形造りで、屋根の頂に据えられた露盤宝珠は優れた工芸品です。各地にある大師堂の中でも最古の堂の一つです。